私が感じたままの南極を、体験談としてまとめてみました。お楽しみください!
南極といえば、オーロラをイメージする方が多いですね。私たち観測隊員にとっても、黄緑色からピンク色に変化(ブレークアップ)するオーロラはとても魅惑的で幻想的なものでした。
夜中に毎日オーロラの観測をしている隊員は、全天カメラ等を駆使して必死に観測しなければなりませんが、連日連夜、寒さや眠気にもめげず大勢のカメラ小僧(その他の隊員)は、オーロラの写真を撮ろうと仕事の疲れも忘れて基地外へと出没していくのです。これが本当の「きちがい」行動!(笑)。
人というのは美しいオーロラ姫には目がないわけですね。私は、このオーロラ姫はもとより、オーロラと交差するミルキーウェイ(銀河、天の川とも言う)が魅惑的でした。
南極は、低温のためとても空気が澄んでいるので、それはそれは、きれいな夜空の天体ショーが見れます。南十字星もくっきりです。
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南極の動物といえば、やはりみなさんもペンギンを想像するでしょう!実は、観測隊員も普通のおじさんですから、家族、知人、恋人などに「ペンギンの写真を見せてたい」と言う一念で写真を撮りに行くのです(ほんとは自分の為か?)。
一番良く見かけるのは、
アデリーペンギンです。昭和基地の近くに「ルンパ」という代表的で大きな
ルッカリー(集団営巣地)があって、アデリーペンギンは、そこでたくさん見られます。実はこのルッカリーでは、子育ての真っ最中には約1000羽あまりのペンギンがいるために糞や死骸が山積し、臭いはまさに養鶏場です。
おまけに、春(南半球なので11月頃)になると産卵して子を育てるので気が立っていて人間が近づくと威嚇してきます。卵や子を抱える姿など、見かけはかわいいのですが野生の姿を少し見せたりします(ちょっとイメージダウンかな?)。
もう一種類は、
皇帝ペンギンです。春頃に群をはずれたせいなのか、数匹で昭和基地を訪れたりもします。皇帝ペンギンは、普通、氷の上で産卵し子を育てます。昭和基地の近くには、彼らのルッカリーは無く、生物隊員以外はあまり集団でいるところは見れません。ペンギンの他には、盗賊カモメ、ウェッデルアザラシとカニ食いアザラシが、子供を育てるため基地の近くに来ます。
盗賊カモメは、ペンギンの卵や雛、アザラシの死骸を取って自分の子を育てています。最近は、昭和基地のごみあさりもします。まるで、盗賊カモメは南極のカラスです。
アザラシは、犬の仲間なので子はとてもかわいい顔をしています。体の毛も「ふわふわ」しています。
また、一般的には、あまり知られていませんが、南極の海は、オキアミをはじめとして、とても豊富な海洋生物が生育しています。
うに、あみ、ひもむし、ヒトデ、氷魚(通称昭和ギスまたはだぼハゼという)、ライギョダマシ(全長131cm、体重26kgの大きな魚を33次隊で採取)等が見られます。
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ブリザード(地吹雪)は、ご存じですか?昭和基地は、南緯69度なので暴風圏の南の端に位置しています。その関係から低気圧がいつも北に留ことになります。低気圧は、南半球なので渦が右回りとなっています。ですから、毎回ブリザードの風は北東から吹いてきます。ブリザードは毎週1回ぐらいはやってくるので、ブリザードに女性の名前を一つずつ付けたりする観測隊員もいます(私だったりして!?)。
越冬の後半、私は、ふと、木や植物のにおいが無いことに気づきました(気づくのが遅い?)。昭和基地は、オングル島と言う島の上にあり、地面が露出しているのですが
樹木は一本もない(今は、昭和基地の中にトマトなどの木があるがこれは例外)ところなのです(ごみ焼却炉のにおいはしますけど…)。
また、南極は低温ですから空気中の水分がほとんど凍ってしまい、
乾燥しきっています。静電気が嫌いな人(好きな人はいないかな!)は、毎日、静電気でびっくりしています。観測装置にも影響があるので厄介者です。昭和基地の気温は、冬で最高に下がっても約-45度程度なので北海道の富良野あたりの方が寒いのではないでしょうか?しかし、昭和基地から南極大陸内陸部約1000
kmの地点にあるドーム基地では、-70度程に低下するそうです!
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「南極昭和基地の衣」:
衣服は、ほとんどが日本国からの貸与です。羽毛服、セータ等は後で日本に帰ってから返します。つまり、毎年、前々隊の使ったお古を着るのです。靴下や毛のアンダーシャツ、靴などは、支給品です。個性を出すのために、私服のお気に入りのセータを着る人もいます。最近は基地の室内は暖かいのでTシャツ1枚の人もいます。
「南極昭和基地の食」:
食事は、一番の楽しみです(まるで刑務所暮らしみたいだって!)。コックさんは、海上保安庁や半蔵門にある某結婚式場等の民間からのプロのコックさんが2名隊員として参加します。そして基地で私たちの食事を作ってくれます。葉物の野菜は一年中食べれないのですが、冷凍野菜や常温で保存ができる野菜は食べることができます。魚、肉、酒は、沢山持っていくので不自由はありません(生まぐろはありませんが…)。日本で準備するとき1日4000kcalぐらいのカロリーになるように準備して行くので、暖かい昭和基地の中だけで生活していると太ってしまいます。プロが作るのですから料理の味は申し分ありません。
「南極昭和基地の住」:
建物は、大きい物で15棟以上、小さい物をあわせると40棟は越えるのではないかと思います。毎年、ほぼ1棟づつ建設していることになります。沢山あるので、住むところに不自由はありません。最近は、女性も越冬できるようになりました。管理棟、居住棟、観測棟、発電棟、その他、一人一棟の割合になりました。その分、夏作業(建設)は大変ですし、基地内の掃除する範囲も増えました。[愚痴]。風呂、トイレ完備、バーもあります。かくれんぼをしたら見つけられないほどです。
南極の衣食住は、何一つ不自由がないのです。独身にとっては、最高の楽天地です。その中には、2年越冬したいと言いだす人も出てくるほどです。
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南極大陸の内陸部約1000 kmの地点に「
ドームふじ」という名の標高約3800 mの高地がある。そこまで行き基盤地形を探査する観測(旅行)があった。旅行途中、みずほ基地を過ぎたあたりから高さ約1
mを超すサッスルギ(雪の吹き溜まり)に遭いながらも雪上車で乗り越え、約一ヶ月を要してやっとたどりついた。
3800 mの標高にもなると昭和基地でさえ気圧950hPaであるのに対して、ドームではその約2/3分ぐらいの気圧になってしまいます。ゆっくり雪上車で上っていくので高山病までにはならなかったが、燃料のドラム缶起こしをしようとすると息絶え絶えになってしまった。

「ドームふじ」では、最低
約-64度まで外気温が下がった。その時は朝方であり雪上車内で寝ていたので寒さは良くわからなかった。通常、外で作業をする場合の体感的な寒さの限界は、-30度が境のような気がする。その温度を越えてしまうと、仕事をする気にならない。ましてや、風が吹くとその分、体感気温が下がるので外での作業は厳しくなる。
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沿岸旅行は、ピクニック。観測隊は、春(9月下旬頃から)になると太陽も長く顔をだしてくるので、
野外調査がひんぱんに行われる。当然、ペンギン調査や地質調査、観測機器の保守など沢山ある。
そこで、ゆうつな冬の真っ暗な時期の気分をふっ飛ばすべく、沿岸旅行へと向かいます。昭和基地から南西へ約150
kmぐらいのラングホブデやスカーレンという名の
地面が露出した大陸沿岸がある。そこは崖のような所や氷爆という氷河の末端などがある。
そこにはペンギンのルッカリーがあったり、
ガーネットサンドという赤い色の砂(、宝石ではないが不純物の多いガーネットのかけら)が海岸線沿いにある。
そこで観測隊は、ペンギンを
おみやげに持ち帰ることできないので(あたりまえ)、これぞとばかりこのガーネットサンドをおみやげにする(いいのか?こんなこと書いて?)。
だが、小生の知人がそれを持っていることは言うまでもない。なお、昭和基地では、この赤い砂は採取できないため
小石を持ち帰る輩もいる。よって、最近は、基地内であまり小石を見かけないという(Oh!ミステリー)。

沿岸旅行中の風景。雪上車の下は海氷です。遠くには、岩肌が見えます。
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南極昭和基地の娯楽は?

あたりまえですが、基地にはパチンコ屋、競馬場、宝くじ売り場、焼鳥屋などはない。隊員は、仕事ばかりしているのだろうか?。そうではない。実は、健全かつ
由緒正しい南極越冬隊の楽しみ方があるのです。
観測隊は、仕事や生活にかかわる作業の他に娯楽係を持っています。例をあげますと、6月の冬至にあたる
ミッドウィンター祭(南極の全基地で実施します)や誕生会を企画するお祭り係、
ソフトボール大会等のスポーツ係、
映画(古い16mmフィルムの映画かビデオを上映)係、
アイスクリーム係(乾燥していて喉が渇くのと甘いものが少ないので人気があります)、かいわれ大根などを作る
農協などもある。
番外では、ビリヤード、サウナも楽しめる。お酒は、申し分ないほどあります(ちなみに、いくら高くても希少価値のある酒が南極では受けます!)。
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汚い話になって恐縮ですが、南極生活は仕事の他に
生活環境をも維持して行かなくてはならなりません。水、電気、燃料、暖房、ごみ、汚水の維持管理は、重要な問題です。とくに、排泄に関しては、毎日の物だけに気をつければならない。
小は、
外のドラム缶(ションドラ)の中にするようにしています(汚水槽がすぐいっぱいになってしまうからである)。ときどきアサガオからドラム缶までのパイプが凍ってしまうこともある(現在、ションドラは使用していないそうである)。
昭和基地のトイレ(大)は、循環式であるのでポリシンという薬を混ぜて使っている(現在は水洗のようです)。これがまた臭い。しかし、便座にはウォシュレットも使っており快適である。3人に1人の「痔ぬし」さん(寒いので良くなる)には、好都合である。
さて、数カ月に一回この汚水槽をきれいにしなくてはならない。これを昭和基地では、代々新潟の方言らしいが”
アッパーカマシ”と呼んでいる。「今日は、アッパーカマシやるぞ!」と機械隊員が数カ月に一回、力を込めて私たちに宣言します(これが出来ないと一人前の観測隊員とは言えないそうです)。
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南極観測船(砕氷艦)「
しらせ」は、ご存じであろうか。歴代の船は、「
宗谷」、「
ふじ」です。「ふじ」の時代から、観測船は、自衛隊が運行している。そのためか砕氷艦「しらせ」と呼ぶことが多い。
観測隊は、観測船と呼んだりもしている。南極までは、この船で片道1ヶ月もの日数がかかる。と、きているから、退屈このうえない。だが、赤道を越える時には、
赤道祭なるお祭りがあり、我々も参加することとなっており、出し物の準備をしなければならない。
最近では、このために、日本にいる間に練習はもとより道具などの準備に余念がない。また、オーストラリアの西海岸
フリーマントル港に入港する前日は、「しらせ」が通関のため沖伯になるので、その日の夕方には、釣り大会が開かれる。釣った獲物(30cm位のキスが沢山釣れます)はとうぜん夜の宴会のネタとなるのは、言うまでもない。
現在は、オーストラリアの
パースまで飛行機で行くのでこういった楽しみは、無くなってしまいました。残念!

南極観測船(砕氷艦)「
しらせ」、東京港晴海埠頭出向(11/14)
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南極観測隊員になりたいとお思いの方は、
国立極地研究所や
情報通信研究機構の南極観測隊員の
募集要項をチェックしましょう。
最近は一般の方への観測隊員の公募もしています。選考されるには、競争率が高いかもしれません。
調理隊員、お医者様、機械隊員(いすず、日立、大原鉄工所)etc.でも南極観測隊に参加できます。
必要条件は、ちょっぴりお酒がたしなめられて陽気に過ごせるタイプです。(笑)<^^>;
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